イスラム組織ハマスが昨年10月7日にイスラエルを奇襲攻撃してから数週間後、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ師は演説を行い、「敵のシオニスト(ユダヤ民族主義者)」との戦いに加わる理由を力説した。ナスララ師は、イスラエルは恐怖で「震え上がっている」「クモの巣よりももろい」と述べ、過去の同国との紛争と異なり、この戦争は「歴史的かつ決定的」だと言明。レバノンからシリア、イラク、イエメンに至るまで、イランが支援するすべての抵抗勢力が参加する義務があると主張した。ナスララ師は27日のイスラエルの空爆で殺害された。他のヒズボラ幹部の大半も命を落とした。残された組織も相次ぐ攻撃で壊滅状態にある。このことは、イスラエルの情報機関がヒズボラ内部にいかに驚くほど深く入り込んでいたかを示している。