「想定の倍くらいはありました。こんなに大変だとは……。今までのなかで一番勉強しているという感覚はありますね」
子育てにも追われ、忙しい時期には夜中の3時に就寝し、早朝6時に起きるような生活が続いた。生活費は、日本で貯めた貯金と、カナダで就職した妻の収入に頼っている。
日本でも英語を使って働いた経験があり、TOEICのスコアは900点ほど。それでも英語での会話は、思うようにはできなかった。
就職活動の難しさも痛感している。インターンシップに応募したが、80社ほど応募しても、面接まで進めたのは数社ほどだった。会社に直接応募したり、大手スカウト型転職サイトを通じて申し込んだりしても、なかなか通らなかった。
苦労は絶えない一方で、カナダで過ごす醍醐味も日々感じている。一つは多様なバックグラウンドを持つ友人たちとの出会いだ。同じ授業で一緒に学ぶ20人の大半は、インドやフィリピンの出身者で、イランやナイジェリアから来ている人もいた。
子どもたちの英語力が猛スピードで伸びていくのも楽しみの一つだ。自分の英語力を追い抜く日がそう遠くないとも感じている。
カレッジは2024年末に卒業する見込み。その後は現地で3年間は働く予定だ。日々の生活に精いっぱいで、将来のことが具体的に決まっているわけではないが、永住権を取ることも選択肢の一つとして考えている。