米国の実業家イーロン・マスク氏がこれまで知られていたよりかなり前から、さらに大々的に米共和党の支持団体を資金面で支援していたことが分かった。複数の関係者によると、米電気自動車(EV)大手テスラのトップを務めるマスク氏は、ドナルド・トランプ前大統領の側近のスティーブン・ミラー氏と関連のある団体と、フロリダ州のロン・デサンティス知事を大統領候補に推す団体に、ひそかに巨額の献金を行っていた。この献金はこれまで報じられていなかった。トランプ氏を支持する「スーパーPAC」(特別政治活動委員会)を立ち上げるかなり以前から、マスク氏が共和党の構想と候補を資金面で支える大きな後ろ盾になっていたことが判明した。2022年秋に、マスク氏の拠出した5000万ドル(現在のレートで約73億円)余りは「Citizens for Sanity」というPACの広告キャンペーンに充てられた。マスク氏の関与と、この団体の納税申告に詳しい関係者が明らかにした。広告の大半は中間選挙の直前に放映され、トランスジェンダーの子どもの医療手当や不法移民といった争点についての主張を展開した。