政治に関する決まり文句に、副大統領候補の討論会が最終的な選挙結果に影響することはない、というものがある。だが、1日に行われたミネソタ州知事のティム・ウォルズ氏とJD・バンス上院議員(共和、オハイオ州)による討論会は、結局は選挙結果に影響しなかったとしても、米国民は少なくとも内容のある議論を目にすることができた。この論戦は、双方の大統領候補たちが提示してきたどんなものよりも、選挙における選択肢を明らかにすることに近づいた。バンス氏の対応は特に、トランプ氏と自身の助けになった。「子なしの猫好き女性」発言で有名な皮肉屋の候補者の姿はどこにもなかった。バンス氏は、自身が「カマラ・ハリス政権」と呼ぶものの欠陥を有権者に思い出させる上で、礼儀正しく、十分な準備ができており、歯切れが良く、容赦がなかった。これはドナルド・トランプ氏が自身の討論会で、さらに言えばジョー・バイデン大統領が7月に選挙戦から撤退して以降のどの時点においても、できなかった主張だ。