米コーヒーチェーン大手スターバックスが販売促進策と値引きを縮小している。8月に最高経営責任者(CEO)に就いたブライアン・ニコル氏は同社の立て直しを目指しており、ここ1年にわたる値引き攻勢をひそかに弱めている。同社幹部や店員らが明らかにした。外食業界は数年にわたり値上げを続けてきたが、スターバックスだけでなく他のレストランチェーンも顧客を呼び戻そうと、今年に入り値引きへの依存を強めてきた。経営幹部らは、コストと賃金の上昇を補うには値上げが必要だとしている。だが、インフレに疲れた消費者、特に低所得層が外食を控えるようになったため、チェーン店はお得感を強調するようになった。そうした中でも、ニコル氏は店員の手による高品質なコーヒーを販売するというスターバックスの特色を前面に打ち出し、値引き重視から脱却しつつある。同社はもともと値引きや販売促進策を避けてきたが、このところ客足が鈍り、顧客から価格の高さや待ち時間の長さへの不満が出たことを受けて、アプリを通じた値引きの提供を強化していた。