アジアが中国の異例の景気対策を注視している。域内経済は底堅さを増しているが、中国経済が活性化しなければ、その影響は地域全体に及ぶだろう。中国はこの30年間、アジアの成長の原動力だったが、経済的苦境が深刻化し、近隣諸国に影を落としている。中国指導部が経済再生に本腰を入れているが、中国が再びアジアの追い風になれるかは今後の政策措置次第かもしれない。アジア諸国にとっては、中国が成長率目標を達成できるかどうかではなく、経済が安定するのか、あるいはさらなる減速に向かうのかが重要だとアナリストは言う。ノムラのアナリスト陣は「中国の刺激策の種類が重要だ」とメモで述べている。ムーディーズ・アナリティックスのエコノミスト、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は、近隣諸国が望んでいるのは、5%の年間成長率を達成するための「糖分」を供給する派手な刺激策ではなく、中国経済の構造的な課題に的を絞った支援だと話す。