「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

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老いた親が孫の進路に口出しをしてきてムカっとする

「(孫の)学校選びは慎重にね。しっかり考えないとダメよ」。孫の進学先について、真剣に考えるように諭すひと言です。

 昨今は、学歴よりも「生きがい」重視の風潮ですが、親世代は「大学受験」が当たり前の子育て経験者です。そのため、孫にも「立派な学歴をつけさせて、将来苦労しないようにしたい」という思いを持っています。この背景を踏まえると、親にとっては「ごく当たり前のアドバイス」なのです。

 このとき「子どものしたいようにさせればいい!」などと言いたくなると思います。しかし、それでは親は納得しません。前述の通り、「大卒こそすべて」だという強固な信念があるからです。そんなときは「就職対策をしっかり行っている事実」を伝えてみましょう。

 たとえば「真剣に考えてくれてありがとう。たかし(孫)はゲーム会社に就職したいみたいだから、プログラミングを学べる専門学校を探しているよ」といった具合です。

 親は大卒が「就職のための武器」だと考えているのですから「そうではない選択肢(専門学校)」もあり、その選択肢が「就職に直結する」のだと理解できれば、納得するはずです。

 大事なのは、親の言葉の背景にはどんな想いがあるのか考えてコミュニケーションを取ることです。それだけで親とわかりあえるでしょう。

 今回は孫の進路についての話ですが、「世代間のジェネレーションギャップ」は、いつの時代も親子喧嘩の火種になりやすいので、一瞬でいいので冷静になっていただけると上手くいく確率はぐっと上がるかと思います。