読書の秋。「本を読みたいけれど、どんな本を読めばいいか分からない」――。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに向けて、書評のプロがおすすめの厳選3冊をご紹介する。今回は、仕事や日常生活における「ものの考え方」の参考になる書籍をそろえた。実りの秋、ビジネススキルや教養力を“爆上げ”して成果を上げるべく、ぜひ読んでみてほしい。(情報工場「SERENDIP」チーフ・エディター 吉川清史)
読書の秋に読みたい
頭をスッキリさせる3冊
残暑はあるものの、ようやく過ごしやすい秋晴れの日々がやってきた。気候が良ければ気分もさわやかになるが、どことなく寂しい気持ちも混ざるのが秋の常だ。
そんな気分と一緒に、読書で感性を養いながら、「頭の整理」をしてみてはどうだろうか。年末年始に向けてパワーを蓄えることにもなるはずだ。
申し遅れたが、筆者はビジネスパーソンの必読書を厳選し、その要点をダイジェストにまとめて配信するサービス「SERENDIP」のチーフ・エディターを務めている。今回はSERENDIPで好評の書籍から、「読書の秋」向けに3冊を厳選して紹介していこう。
「スポーツの秋」に
アスリートの思考を学ぼう
「読書の秋」以外に、さまざまな「○○の秋」という言葉が慣用的に使われてきた。例えば、「スポーツの秋」だ。運動会や体育大会などは、気候のいい秋に開催されることが多い。また学校のクラスや、スポーツチームなどは、春にメンバー同士が出会い、チームワークができ上がってくるのが秋、ということもある。
今夏はパリ五輪もあり、MLBでは大谷翔平選手が異次元の活躍を見せてシーズンを終えたばかり。人々の関心がスポーツやアスリートに向かっているこの時期に、ぜひ読んでもらいたいのが『勝者の科学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。まず、この本から紹介していこう。
『失敗の科学』『多様性の科学』といったベストセラーのある英国人ジャーナリスト、マシュー・サイド氏が著者。優れた戦績を残すトップアスリートの共通点について、心理学や神経科学、政治との関連などさまざまな角度から考察するコラム集である。