【一発アウト】「つぶれやすい子」の親が無意識に繰り返していることとは?〈再配信〉写真はイメージです Photo:PIXTA

「高すぎる目標設定は、子どもを潰す」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【子どもが無理なく伸びる方法】をお届けする。ダイヤモンド・オンラインで2024年2月26日に配信した記事を再配信する。

高すぎる目標設定→子どもが潰れやすい

 子どもを競争に参加させる上で大切なのが「親が勝敗にこだわらないこと」だとお伝えしました(詳細は『【魔法の言葉】「失敗を恐れない子」の親が、子どもにかける“納得の一言”とは?』を参照)。

 もう1つ重要なのは、「手が届く範囲の目標を持たせる」ことです。

 武道で白帯の子であれば黄帯を目標に練習に励む。ピアノであればバーナム ピアノテクニック1からピアノテクニック2にレベルアップを目指す。このように子どもにとってわかりやすく、手が届く範囲の目標を定めるとやる気がアップします。

「手が届く範囲」という難易度が重要です。失敗する可能性が高い、あるいは、レベルが高すぎる目標設定は逆効果です。子どものやる気を奪う原因になるので注意しましょう。

 また、親が一方的に決めるのでなく、子ども自身が「やってみる」と言うように導きましょう。「次のコンテストに挑戦してみる?」と子どもに選択肢を示して、子ども自身にやるかやらないかを決めさせるのです。

 子どもが「嫌だ!」と言った場合は、「どうして嫌なの?」と質問します。「怖いから」「失敗するのが嫌」という理由が多いと思います。その場合は無理にやらせずに「じゃあ次の次に向けてがんばってみようか?」と伝えて、子どもが自分の意思で「やってみる」と言うまで待ちましょう。

 どの子どもにもプライドがありますから、失敗するのは嫌なのです。親が練習につき合って今より少しうまくしてあげると、子どもの側から「やってみる」と言う時が必ず来ます。それまではプレッシャーを与えず、子どもの気持ちを尊重して待ってあげましょう。

 子どもが「やってみる!」と言ったら、親は子どもの技能レベルを客観的に見極めて、達成可能な目標を設定しましょう。そして「ママ(パパ)も一緒にがんばる」と伝えて、成功できるようにサポートします。自分の意欲で挑戦したことが、親のサポートもあってうまくいくという成功体験は、親子の信頼関係を深め、子どものやる気をさらに大きくしてくれます

 1つレベルアップしたら、そのレベルでも今より少しうまくできるようにサポートします。これを繰り返すことで、やる気を維持しながら「ずば抜けて高いレベル」に到達することができます。

 ただ、いくら習い事での競争が大切と言っても子どもの特性に合わない習い事をしていては子どもが楽しめず、効果が見込めません。「その子にピッタリ合うものを長く続けて成功体験につなげてあげること」が何より大切です。

「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!

【一発アウト】「つぶれやすい子」の親が無意識に繰り返していることとは?〈再配信〉「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

【一発アウト】「つぶれやすい子」の親が無意識に繰り返していることとは?〈再配信〉「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。