米国のドナルド・トランプ前大統領は2016年、共和党を白人労働者階級の政治的な基盤に作り変えた。今年の大統領選でトランプ氏は、共和党がそれ以来特に重視してきた目標を実現させた。それは、あらゆる人種の労働者階級の有権者を引き寄せる政党へと成長することだ。トランプ氏のホワイトハウス返り咲きを後押しする大きな要因となったのは、大学を出ていない有権者の支持層拡大だった。この変化は共和・民主両党の政策課題や、共和党の将来の展望にとって重要な意味を持つ。四年制大学の学位を持たず、主に労働者階級として分類される白人の有権者は米国の多様化と教育水準向上に伴い減少傾向にある。共和党は今回、縮小しつつある特定の集団からできるだけ多くの票を獲得しようとするのではなく、支持層を白人有権者から人種的マイノリティー(少数派)に拡大できることを示した。