ドナルド・トランプ氏よ、グローバー・クリーブランド氏を紹介しよう。彼は、米国史上、再選を目指して立候補した大統領選で敗れた後に2期目を勝ち取った、トランプ氏以外で唯一の大統領だ。今回の勝利は歴史に名を残す快挙であり政治的復活劇だった。トランプ氏がこれをどう利用して過去8年間の分断よりも大きなレガシー(遺産)を達成するかが、次の4年間の課題となる。トランプ前大統領が復活する力の象徴のような人物だと言うのは、21世紀に入ってからの動きを考慮するとまだ控えめな政治的表現だ。トランプ氏は2021年1月6日に米議会議事堂で起きた暴動の後、将来の大統領候補としては見放されたも同然だった。われわれもそう見ていた。ところが、民主党は議事堂襲撃事件の偏った捜査や、法律を党派的な争いの武器に使ったことで、同氏の復活を手助けした。ニューヨーク州でアルビン・ブラッグ検事がにわか仕立ての訴因でトランプ氏を起訴したことは、同氏の大統領候補指名への道を確実にしたかもしれない。最初の暗殺未遂事件の後にトランプ氏が示した勇気も、選挙戦を決定付けた瞬間だった。
【社説】米大統領選で勝利、やり直す機会得たトランプ氏
勝因は自らの復活力とバイデン氏の失策
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