PHOTO: SVET JACQUELINE FOR WSJ
【ソウル】リュー・ソンヒョンさんには、ロシアの前線に派遣された何千人もの北朝鮮兵士たちが今考えているかもしれないことが手に取るように分かる。つい最近まで彼自身が北朝鮮の兵士だったからだ。
リューさんは2019年に自由を求めて韓国との非武装地帯(DMZ)を越えた。兵士の逃亡は異例だ。彼には現在新たに派遣されている兵士の多くとよく似た共通点があった。それは若くて、十分な食事を取っておらず、外の世界が見えていないというものだ。逃亡しようと決める前は、建設現場でれんがを運んだり、屋外で寒さに震えながら歩哨に立ったりしていたことを、リューさんは覚えている。彼は煮崩れてどろどろの米をトウモロコシと混ぜて食べていた。肉は祝日のごちそうだった。