同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【稼げない社長】に共通する戦略立案の致命的な間違いとは?Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「戦略3分の1の法則」である。

【貧す人】すべてをやりきります
【稼ぐ人】うちの強みは○○です

 ある人気ラーメン店で、新入りスタッフが来店客に水を出したところ、店主が毅然とした声で叱った。

「うちは600円で、おいしくたらふく食べてもらう店なんだから、水はお客様に自分で入れてもらうんだ。水を出すのは、もっと高い店!」

 この店主は、企業文化が業績に与える影響をよく理解している。

企業の3大戦略とは?

 会社の戦略は3つしかない。

◎「創造(イノベーション)戦略」
◎「効率(エフィシェンシー)戦略」
◎「顧客(ホスピタリティ)戦略」

 このラーメン店が採っているのは「効率戦略」。

 創業時からメニューは変わらず、改装もせず狭いまま、伝統の味を出し続ける。学生街にあるため、学生に負担がないよう値段は安く、いつも行列だ。

 もし、「創造戦略」であれば、ラーメンだけではなく、オリジナルメニュー開発が会社の文化となり、話題性を武器に集客することになる。

「顧客戦略」なら、丁寧に接客し、顧客の顔を覚え、ポイントカードを発行し、雨の日に顧客の忘れものに気づけば、自分は傘をささずにまっしぐらに顧客のもとへと走る。

【貧す人】に一直線のワースト習慣

【貧す人】は、会社方針の中に、創造戦略、効率戦略、顧客戦略すべてを取り入れようとする。

 しかし、この3つの戦略は、それぞれまったく異なる資質を持つので、すべてを同居させられるのは社長だけ。他の社員は、利害関係がぶつかり合い、会社は硬直化する。

 しかも、3つの戦略のどれかに特化したライバル社が現れると、必ず顧客を奪われる。

【稼ぐ人】は、戦略をたった1つに絞る

「3つの戦略のうち、自社はどれに秀でているのか」と自社の優位性を見極め、フォーカスする。

 社長に創造性があるからといって、会社全体が創意に満ちているわけではない。

 顧客対応にすぐれていたり、効率化が得意だったりまちまち。

 社長の強みと、会社の強みは異なることを理解することから、会社は強くなり始める。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)