米軍の戦闘部隊は輸送面での手助けを必要としている。昨年末から2週間に1度、紅海での戦闘に関する機密情報を扱うブリーフィングがここで開かれている。出席者は政治家でも政策立案者でもスパイでもない。民間の海運会社の幹部だ。この会合は、国防総省の兵たん部門である輸送軍(トランスコム)が進める、海運会社を危機時の補給ラインとして統合しようとする取り組みの一環だ。こうした取り組みは、米軍という巨大組織の中で特に好まれてはいないが極めて重要な兵たん部門の差し迫ったニーズから生まれた。下院特別委員会は2月、輸送軍の海上貨物輸送能力を「ひどく不十分」だと指摘した。米国は新型兵器に多額の投資をしているが、ミサイルや軍艦、戦闘機は軍の懸念事項の一部に過ぎない。戦地に送られる部隊には食料と水が欠かせず、装備には大量の燃料と予備部品が必要だ。弾薬のない銃は無用の長物となる。負傷した戦闘員は避難させなければならない。
米軍、商船に「相乗り」せざるを得ない理由
想定される中国との紛争を支援する兵たん能力は限られている
有料会員限定
あなたにおすすめ