バラク・オバマ氏が2008年の米大統領選で勝利したとき、大統領が率いる民主党が連邦議会を支配したのは1992年以来のことだった。民主党員は、1932年のフランクリン・ルーズベルトや1980年のロナルド・レーガンを思い起こさせる政治的再編を期待して浮かれていたが、それが実現することはなかった。共和党は2010年に下院、14年に上院の多数派を握った。その後にドナルド・トランプ氏が登場した。共和党は先週、大統領選と議会選で完勝したが、近年の歴史はこの結果を深読みし過ぎることへの反面教師になるかもしれない。明白なのはトランプ氏が大統領を退任した後に同氏の人気が高まったことで、それは自分の世界観を事実に邪魔されたくないリベラル派ジャーナリストにとって驚きだった。民主党員たちは、裁判所を使ってトランプ前大統領を大統領選に立候補させず、破産させ、場合によっては刑務所に入れることもできると考えていた。そうした取り組みは失敗しただけでなく、逆効果だった。有権者はトランプ氏を党派心に基づく訴追の犠牲者と見なした。民主党にとってさらに悪いことに、有権者はトランプ氏のことを、ジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏の政権の4年間に対する答えと見なした。
【オピニオン】トランプ氏勝利、初の「脱人種」選挙か
アイデンティティー政治を掲げてきた民主党から黒人・ヒスパニック系が離反
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