どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。
「部下に厳しい人」は出世する
皆さんの周りには、「部下に厳しすぎる人」はいますか。あなたの上司がそうだという人もいるでしょうし、「隣の部署の上司が結構厳しそう」「いつもあの子が怒られているな」というように感じているという人もいるのではないでしょうか。
部下に対して厳しいことは決して悪いことではありませんが、あまりに度が過ぎるのも考えものですよね。
実は、部下に厳しい人・厳しすぎる人は、比較的出世していく傾向にあると僕は考えています。今回はその理由を考えてみましょう。
「能力が高い人」ほど、部下にもそれを要求してしまう
そもそもですが、なぜ「部下に厳しい人」は、部下に対してそんなに強い指導や指示をするのでしょうか?
部下への期待が大きいということもありますが、それ以上にあるのが、単純に「その人の能力が高すぎる」というケースです。
仕事が出来て出世する上司は元々の自分ができる仕事のクオリティが高く、自分でもできる簡単な仕事の水準が高いです。「俺が若い頃は、、、」とは良くあるセリフですが、あれも自分が当時できたことを基準にしている言葉ですよね。そういう人は、自分の若い頃の経験を基準に、部下に対しても仕事のレベル感のピントを合わせています。
つまり、たとえば部下が25歳なら「自分の25歳の頃の記憶」、35歳なら「35歳の頃の記憶」に沿って、要求水準を変えているわけです。
「厳しくても成長させてくれる」上司かを見極めよう
ここで重要なのが、すべて上司が「過去の自分」を基準にしている点です。
人は自然と自分が出来ないような無理を相手に押し付けることをしません。つまり、「自分なら簡単に出来るような仕事」だからこそ、人に対してもそのような要求をしてしまうのですね。
翻って優しい上司は自分ができる仕事の水準もあまり高くないため部下に無理強いが出来ません。
そのため、結果として部下に厳しすぎる上司は「能力が高い」ことが多くあります。自然と出世の可能性も高まってしまうのです。
このように、上司がどうしてそんなに部下に厳しいのか?を冷静に考えておくと、ついていくべき上司の見極めに使えるようになります。厳しくても自分を成長させてくれる上司もいます。本当に自分にとってコスパの高い選択肢を取れるようになるとよいでしょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を編集・加筆した原稿です)