小説などは違うかもしれませんが、ビジネス書の基本は「誰かの課題を解決する」ということにあると僕は思っています。

「金利」の本は、梅田さんの課題を解決することがベースにありました。今お読みいただいているこの記事も、フリーランスとして生きていきたい読者の皆さんの悩みを解決したいと思いながら書いています。

 ビジネス書を出したい人は、自分の強みを使って誰かの課題を解決していけば、その先に本を出す未来が訪れるかもしれません。そこでカギとなるのは、他人の目から見た自分の強みを見つけることです。

初めは「自分でいいのかな?」
やがて経験が自信となっていく

 フリーランスになって日々感じるのが、「自分の可能性は他者によって開かれる」ということです。

 僕の場合、最初は「未経験のライター」という自己認識でしたが、ご依頼を受けるうちに自分の強みがわかるようになってきました。そして、さまざまなご依頼にできるだけお応えしようと努めてきた結果、活動の幅が広がりました。

 最初に自著を出したときも、テレビ番組に出演したときも、「自分でいいのかな」と思ったものです。それでも挑戦したら、その経験が自信となり、新たな仕事にも挑戦しやすくなっていきました。

 自分の目から見える自分と、他人の目から見える自分には、違いがあります。

 1955年にアメリカの心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムによって開発された自己理解のためのツール「ジョハリの窓」では、自己と他者の認識を4つの領域(窓)に分類しています。

図表:ジョハリの窓同書より転載
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 このジョハリの窓は自己認識を深めるツールとして活用されていますが、フリーランスの仕事を広げていくうえでもひとつのヒントになります。自分が考えている自分はあくまで一部分でしかなく、他にも「売り物」となるような強みが潜んでいるかもしれません。

成功を収めた人物ほど
「人のため」を考えている

 人からの期待に応えることの大切さは、ライター業の師匠である上阪徹さんから教わったことでもあります。

 上阪さんは、ライターになりたくてなったわけではなく、勤めていた会社が倒産して、やむを得ずライターになったと聞きました。そこで挫折を経験した上阪さんは、「自分のためではなく人のために仕事をしよう」と決めたときから、人生が大きく開かれたそうです。