大谷もジャッジも…メジャーが「最強打者」を4番に置かない納得の理由Photo:SANKEI

村上宗隆や岡本和真が不動の4番を任されているためか、日本では「最強打者=4番」という常識が根強い。しかし、メジャーでは、最強打者を2番に据えるのが主流となっている。実は、小技の2番バッターとして活躍した宮本慎也も、「4番最強説」を否定しているのだ。宮本がデータをもとに導き出した、新しい打順理論とは?※本稿は、宮本慎也『プロ視点の野球観戦術 戦略、攻撃、守備の新常識』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

データ重視のメジャーでは
最強打者を4番に置かない

 日本で強打者といえば「4番打者」というイメージが定着しているのではないでしょうか。伝統があり、超有名な最強打者が揃っていた巨人では、新しく4番に座ったバッターを「何代目4番」と言って、マスコミが盛り上げています。

 近年では長打力があり足の速いバッターを「3番」に起用することは、スピードで劣る「4番」よりも怖いイメージがあります。

 それでもNPBのアジア人シーズン最多本塁打の記録を持つヤクルトの村上宗隆選手も、タイトル争いのライバルでもある巨人の岡本和真選手も「4番」です。まだまだ「4番最強説」は健在なのでしょう。

 一方、メジャーはどうでしょう?

 かつては「3番」にチームの最強打者を据えていました。ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手は主に2番か3番を打っていますが、本人は3番を希望しているそうです。昔からチームで一番いいバッターが3番を打つイメージがあるからだそうです。日本人が「4番を打ちたい」という理由と似ています。

 しかし現在では、いい打者に少しでも多くの打席が回ってくるように「1番」や「2番」に最強打者を据えるという考え方が主流です。