ジョー・バイデン米大統領は2021年1月の就任式よりも前に、任期中を通じて影響の続く重大な賭けに上級顧問らと共に出た。その数週間前に米議会は9000億ドル(現在のレートで約139兆円)の新型コロナウイルス経済対策法案を可決したばかりだった。バイデン氏は間髪入れず、1兆9000億ドルの景気刺激策を提案した。バイデン氏と顧問の多くはオバマ政権にも加わっていた。バラク・オバマ氏は世界金融危機の最悪期だった2009年1月、同様に暗い状況の下で大統領に就任した。その後、高失業率が何年も続き、世界の多くの地域が低成長と極めて低い金利(あるいはマイナス金利)のわなから抜け出せなかった。民主党がその経験から学んだ一つの教訓がある。低金利の間に積極的な財政支出を行うべきということだ。カップに注ぐ量が少なすぎるよりも多すぎる方がよいとの考え方だ。
インフレ対応でしくじった米民主党政権
世界金融危機後の失敗を避けようとしたバイデン政権は新たなミスを犯し、政治的敗北につながった
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