兵庫県の貧しい農家に生まれ、資産20億円を築いた“日本のバフェット”といわれる藤本茂さん(シゲルさん)。19歳で投資を始めて投資歴は69年にのぼる。昭和・平成・令和の相場を見続け、バブル崩壊、リーマンショックも乗り越えたきた凄腕シニア投資家だが、長く続けてこられた秘訣は何なのか。成功しても転落してしまう投資家も多くいる中で、生き残れる人との違いを明かしてもらった。12万部突破のベストセラー『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
多くの投資家は
退場していく
いま私は、ほかの投資家仲間と会うことはほとんどありませんが、かつては証券会社などで投資家仲間と顔を合わせることもしばしばありました。
しかし、その顔触れは、結構な頻度で変わっていくものでした。「そういえばあの人、最近、見なくなったな」と思うことは、決して珍しくなかったのです。
2022年に金融庁が発表した報告書によると、投資信託などを購入した顧客のうち、2020年3月時点の損益がプラスになっている人は30%程度なのだそうです。ということは、70%程度の人が、損益がマイナスの状態だということですね。
一方、デイトレーダーとして生き残る割合は、「10%程度」だといわれます。これだけ見ると、夢のない数字ですよね。