「なんとなく雑に扱われてきた…」ベストセラー作家が明かす意外な過去写真:文藝春秋

『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)でデビューし、第21回「本屋大賞」をはじめ賞タイトル15冠を獲得して話題の小説家・宮島未奈さんが、待望の新作『婚活マエストロ』(文藝春秋)を出版した。独身40歳男性の在宅ライターと婚活業界で働く女性が、人々との出会いと別れを繰り返しながら心を通わせていく物語が、多くの反響を呼んでいる。宮島さんに、Xのヘビーユーザーでもあるからこそ見いだしたSNSとのつき合い方について話を聞いた。(聞き手/ライター 正木伸城)

Xのヘビーユーザーが見いだした
SNSとの上手な付き合い方

――インタビュー(1)『『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈の新作テーマは婚活!影響を受けた「意外な人気芸人」の名前』では、あらゆる資料を参考に想像力を膨らませて執筆されている話を伺いましたが、時代の流れをキャッチしようと意識的にされていることはありますか?

 私、X(旧Twitter)が好きなので、ずっと見ていますね。見ているとその時のトレンドが分かるというか。自分の主張とは違う意見も流れてきたりして、自分とは関係のないことも分かります。

 最近の例だと衆議院選挙。選挙に対しても色んな思いを持っている人がいるので、それをXから知る感じで、情報に触れています。

――膨大な情報の波に影響を受けたりはしないですか?

 あまり影響されないんですよね。無意識の部分で影響されている部分はあるでしょうけど、Xを見たからって政治思想が変わるわけじゃない。こういう人もいるんだなという感じで他の価値観を眺めています。

――すごく客観的ですね。他人の目線とかはあまり気にしないタチですか?

 いや、私は結構、「どう見られるか」を気にします。だから、Xで発信する時も考えて、気を使っています。こういうことは言わない方がいいなとか。政治的な発言もまずしません。でも、政治に関することもXで見てますし、政治についてもすごく考えてはいます。

 Xは作家業のPRツール。宮島未奈のブランディングというと大げさですけど、一つ一つのポストも、自分の作品だと思うんです。宮島未奈という人が新刊を出しましたとか、今こういうことをやっているとか、『成瀬は天下を取りにいく』のグッズが出ましたとか。そういうことをどう伝えていくかを意識しています。