「まだ使えるものをそのまま捨てるのはもったいない」
そんな気持ちから、リサイクルに出せば誰かの役に立つかもしれないと思う人は多いが、片づけのプロはおすすめしないという。その理由とは?
片づけはモノを減らすだけではなく、自分の価値観や暮らしを見直すチャンスでもある。
そこで、登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片付けチャンネル」の運営者であり、書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』の著者・二見文直氏に、「もったいないから捨てられない」人が罪悪感なくモノを手放せるようになるコツを伺った。(構成/ダイヤモンド社・和田史子)

1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツPhoto: Adobe Stock

リサイクルショップで「お値段はつきません」と言われたら…

株式会社ウインドクリエイティブ代表取締役。YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。1984年大阪府生まれ。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。
2010年よりリサイクル販売業界に携わり、2014年に独立。単なる不用品回収ではなく、お客様が笑顔で穏やかな生活に戻れるよう、丁寧で気持ちの良いサービスを目指し、2015年に「イーブイ(屋号)」を立ち上げる。2016年には株式会社ウインドクリエイティブを設立し、代表取締役に就任。関西を中心に不用品回収、ゴミ屋敷の片づけ、遺品整理などのサービスを提供している。
月平均130軒以上のお宅を訪問し、これまで1万件以上の片づけを経験。年間約5000件以上の相談を受け、のべ4万件を超える全国からの「片づけられない」悩みと向き合ってきた。
2016年にスタートしたYouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」は、登録者数15.8万人、総再生数7500万回を突破(2024年11月現在)。片づけに悩む人々に寄り添う姿が共感を呼び、多くの視聴者から支持されている。二見文直(ふたみ・ふみなお)
株式会社ウインドクリエイティブ代表取締役。YouTubeチャンネル「イーブイ片付けチャンネル」運営者。一般社団法人遺品整理士認定協会認定遺品整理士。生前整理技能Pro1級。2016年には株式会社ウインドクリエイティブを設立し、代表取締役に就任。関西を中心に不用品回収、ゴミ屋敷の片づけ、遺品整理などのサービスを提供している。月平均130軒以上のお宅を訪問し、これまで1万件以上の片づけを経験。年間約5000件以上の相談を受け、のべ4万件を超える全国からの「片づけられない」悩みと向き合ってきた。2016年にスタートしたYouTube「イーブイ片付けチャンネル」は、登録者数16万人、総再生数7500万回を突破(2024年12月現在)。『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』(ダイヤモンド社)は初の著書。

捨てるのが苦手な方から、
「もったいないからリサイクルショップに出します」
と言われることがあります。

正直、僕はリサイクルショップに買い取りに出したり、フリマアプリを使って出品したりすることは、あまりおすすめしていません

たしかに、昔はゲームソフト、DVDなどは、それなりの値段がついていましたし、買い取りができないものでも、無料で引き取ってくれるところもありました。しかし今は「0円でも買い取りません」というお店も増えています

引き取ってもらえず持って帰らないとダメ、これでは二度手間になってしまうと僕たちのところにSOSを出す依頼者さんも、1人や2人ではありません。

「車でリサイクルショップを回っていたんですが、引き取ってくれるところがなくて処分に困っています!」

このような連絡をくれた方に「何を引き取ってもらえなかったのですか?」と聞くと、以下のアイテムがよく出てきます。

 ・ベビーベッド
 ・バウンサー
 ・安いチャイルドシート
 ・健康器具
 ・家電製品
(箱入りでも引き取ってもらえないことも)

考えてみてください。チャイルドシートはより安全で快適な新製品が出ていますし、健康器具や家電も安くて高機能なものや省エネ製品が次々と発売されています。みなさんも新しいものを購入したいでしょう。

また、ベビーベッドやバウンサーは使う時期が限られているので、レンタルを利用する方も増えています。レンタルの場合、引き取りにきてもらえるところもあります。

実際に手放そうと思っているモノをメルカリなどで検索してみてください。

想像以上に安い値段で取引されていて、似たようなモノが多数出品されていることに気づくでしょう。手間の割に値段がつかない・売れないのだとわかると納得がいき、あっさり手放せるようになります。

「タダで手放す」ではなく「困っている人に届けられる」と考える

この「納得がいく」というプロセスは、捨てるのが苦手な人には大事かもしれません。

「買い取れません」とはっきり言われたことで、「自分がいかに価値のないモノに執着していたのかがわかった」と、突然捨てるスイッチが入ったという依頼者さんもいます。

もしリサイクルショップで、「値段がつかなかったけれど引き取ることができる」と言われたら、タダなのはイヤだと持ち帰らずに、「困っている人に届けることができるのはありがたいこと」と、喜んで引き取ってもらいましょう。

あるとき、子どものおもちゃがどうしても捨てられないという若いママさんがいました。

リサイクルショップに持っていったところ、「こちらはお値段がつきません」と買い取りを断られてしまったのだそうです。

一瞬がっかりして、だったら持ち帰ろうかと思ったそうですが、自分のように若いママで子どものおもちゃを買うのに困っている人がいるかも。そういう人たちに「安い値段でおもちゃを届けられるならうれしい」と思い直し、すべて引き取ってもらったそうです。

このように、リサイクルショップで値段がつかなかったときは、「困っている人に届ける」と考えて、喜んで引き取ってもらいましょう。