2年を超える戦争と制裁の中、驚くほどの強じんさを見せてきたロシア経済に突然、深刻なひずみが現れ始めた。ロシアの通貨ルーブルが急落し、インフレが急激に高進している。ウラジーミル・プーチン大統領は先週、国民に対し、パニックを起こす理由はないと述べた。経済状況が変化したきっかけは、バイデン米政権がロシアの銀行ガスプロムバンクへの制裁を決定したことだ。同銀は制裁を免れていたロシア最後の主要銀行で、ロシア政府は兵士への給与の支払いや貿易取引の処理に利用している。米政府は50を超える他の金融機関も制裁対象に加えた。ガスプロムバンクがこれまで制裁対象から除外されていたのは、ロシアからエネルギー供給を受ける欧州の国が代金を支払えるようにするためだった。同行はロシアからの輸出と引き換えに流入するハードカレンシー(国際決済通貨)にとって極めて重要なルートとなっていた。
ロシア戦時経済に新たな亀裂露呈 ルーブル急落で
プーチン大統領はパニックを起こす理由はないと国民に呼びかけ
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