職場には「常に手を焼く部下」と「一切手を焼かない部下」がいる。この差は、一体、何だろう?
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏の自己啓発書『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。日々読者から寄せられるいろいろな悩みをぶつけてみた。本稿では悩みやすい年始に役立つ「悩まない人の思考法」をお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。
「入社以来ずっと手を焼いている部下」への対処法とは?
Q.職場に「入社以来ずっと手を焼いている部下」がいます。
「なんで、こいつはこんなことさえできないんだ」と思うことばかりです。こんな部下には上司としてどう対処したらいいのでしょうか
【悩まない人の回答】
結論を言えば、上司側のマインドセットを変えることです。
では、どう変えたらいいか、お話ししましょう。
ある程度仕事ができる上司であれば、仕事ができない部下を見て、
「この人は◯◯のときに××してしまうから仕事できないんだよなあ」
と思うことがあるでしょう。
でも、上司が部下にそれをやんわり伝えても、
「でも、この場合は△△という理由があって、こうするのは仕方なかったんです」
と自分を正当化するでしょう。
この瞬間、上司は、
「学んで変わる姿勢を持たないと、いつまで経ってもできるようにならない」
と思う。きっと上司の人は、一度は経験があることだと思います。
できるレベルは「多段階」になっている
しかし、ビジネスの世界は「できる人」と「できない人」にくっきり二分されているわけではありません。
できるレベル1~10のように多段階になっているのです。
つまりレベル5のあなたが、レベル1の人を見て、
「あの人は◯◯だからできないんだよなあ」
と思っていることと同じことを、
レベル10の人があなたに対して思っているのです。
あなたがレベル10の人から、痛いところを指摘されたとしましょう。
あなた自身は、「自分は日頃何も考えずにやっているわけではない。しっかり考えながら判断しているんだ」と思っているでしょう。
そんなときに、レベル10の人から指摘されると、
つい「あ、でもこの場合は◯◯なんです」
と答えたくなります。
しかし、これはレベル1の人があなたに指摘されたときの反応と同じです。
そのままでは成長しないのは自明の理でしょう。
何歳になっても成長するために
自分が成長するためにはどうすればいいのか?
そこそこ仕事ができる人は自分を「仕事ができる側」で固定して考えてしまいます。
しかし、前述のように、仕事ができる・できないというのは二分されているわけではなく多段階なので、あるときは「できる側」、あるときは「できない側」で対応しなければいけません。
レベル10の人に指摘されたときは、自分を「できない側」に置き、自分がレベル1の人に対して期待したのと同じく「学んで変わる姿勢」を示すことが大切です。
こういうときは、レベル10の人の意図を咀嚼できるまでじっくり聞き、自分の思い込みを打破していく。そして少しでもレベル10の思考に近づけていく。
あなたは、自分よりできない人を見て
「あの人は◯◯だからダメなんだよ」
で終わらせていないでしょうか?
自分も上のレベルの人からそう思われています。
昔の人は
「人のふり見て我がふり直せ」
と言いました。
まず、自分自身が謙虚に学んで変わる姿勢を持つこと。
「謙虚さ」とは多面的思考なのです。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)