中東では、混乱の嵐が休暇状態に入ることはめったにない。最近発生した嵐は、シリアのバッシャール・アサド大統領の政権に対するイスラム勢力の新たな蜂起だ。イスラム教スンニ派の反政府勢力は先週末、主要都市アレッポになだれ込み、政府軍が逃げ惑う中でアレッポだけでなく他の地域も制圧した。反政府勢力は、アサド政権の協力者たちが他の出来事に気を取られたり、弱体化したりする中で、攻勢に出る好機を見いだした。アサド政権を支える主要勢力だった、イランの革命防衛隊(IRGC)と同国の代理勢力であるヒズボラは、イスラエルとの対立で激しい報復攻撃を受けたことから、シリアでは腰が引けた状態になっている。アサド政権にとってもう一つの主要な支えとなっていたロシアは現在、ウクライナとの戦争に集中している。
【社説】再び火を噴いたシリア内戦
混乱が周囲に波及しない限り米国は傍観姿勢
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