「子どもの言語力→家庭内のディベートで伸びる!」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の書籍『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【子どもの言語力の伸ばし方】をお届けする。
子どもの言語力→家庭内のディベートで爆伸び!
子どもとの日常会話でおすすめなのが「オープン・エンドの質問」です。
「YES・NO」で答えられる問いを「クローズド・エンド」、「YES・NO」で答えられない問いを「オープン・エンド」と呼びます。子どもの言語表現力を伸ばすには、正しい答えがなく、ユニークな思考が求められるオープン・エンドの問いがおすすめです。
「今日学校楽しかった?」という質問は「YES・NO」で答えられるのでクローズド・エンドです。話が「うん!」「べつに」だけで終わってしまいます。
一方で、「今日先生の話の中で一番面白かったことを教えてもらえる?」「休み時間の一番楽しい過ごし方を教えてくれる?」「今日一番笑った話を教えてもらえる?」という質問をすると、子どもは記憶を呼び起こし、自分の思考を言葉に置き換えて説明してくれます。
ポイントは「楽しい話」「ポジティブな話」を振ることです。「学校で嫌だったことはある?」「悲しかったことを話してくれる」というネガティブな話題を振ると、子どもは話したくなくなります。
ポジティブなオープン・エンドの質問を実践すると、親子の会話が弾み、コミュニケーションを楽しみながら思考、言語、知識を深めていくことができます。
「電気がなくなって一番困ることは何だろう?」「犬を見たことがない人に犬を説明できる?」など、答えのない質問は子どものユニークな発想を鍛えると同時に、自分の好き嫌いや価値観を発見するきっかけになります。
親子でディベートをしてみるのもおすすめです。その日のニュースや新聞記事などから子どもが興味を持ちそうなトピックを見つけて、親子で「賛成」「反対」に分かれて討論をするのです。
たとえば「プログラミングの教科化についてどう思う?」という議題で討論をしてみます。まずはそのトピックについて子どもに説明します。子どもが「勉強する教科が増えるから反対」と言えば、親は「世界中でコンピューター化が進んでいるから賛成!」と逆の立場から反論してください。
最初は子どもが選んだ立場で立論できるように練習しましょう。子どもがディベートに慣れてきたら、自分の考えとは反対の立場でも議論させてみてください。話す力はもちろんですが、論理的思考力やクリティカルシンキングが爆発的に伸びます。
討論を通して自分の考えを自分の言葉で伝える能力が発達してくると、自分を客観視できるようになり、「衝動性」が抑えられます。その結果、しっかり考えて行動できる子へと成長していくのです。
「どんなテーマを選べばいいのか悩んでしまう!」という方のために、簡単なトピック集をご紹介します。ぜひ、親子でチャレンジしてみてください!
・スマートフォンの学校での使用は許可するべきだ
・学校へのゲームの持ち込みは禁止すべきだ
・生徒の髪形(色)は自由にすべきだ
・制服はなくすべきだ
・小学生のランドセルは禁止すべきだ
・子どもが犯罪を起こしたら親も罰せられるべきだ
・友だちがカンニングをしているのを見たら先生に言うべきだ
・学校に監視カメラをつけるべきだ
・男子校、女子校はなくすべきだ
・学校の成績に応じて小遣いを決めるべきだ
・テレビゲームやスマートフォンを使う時間は制限すべきだ
・いじめはいじめた側が罰せられるべきだ
・生徒も先生に成績をつけるべきだ
・動物実験はなくすべきだ
・原子力発電所はなくすべきだ
・お金で幸せは買えるか?
・死後の世界はあるか?
・コンピューターは先生の代わりになるか?
・勉強と部活、どっちが大切か?
・お金と夢、どっちが大切か?
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。