欧州の自動車メーカーはかつて世界を席巻していたが、現在はあらゆる方面で苦戦を強いられている。欧州では排ガス規制が強化され、各社は収益性の低い電気自動車(EV)の販売を増やさざるを得なくなっている。中国では、現地メーカーの台頭によりドイツブランドの黄金時代が終わろうとしている。米国ではドナルド・トランプ次期大統領が新たな関税を課す考えを表明しており、他国への脅威となっている。コンサルティング会社アリックスパートナーズの自動車部門共同責任者、アンドリュー・ベルグバウム氏は「まさに大きな混乱の時代にある」と話す。こうした混乱はすでに数千人規模の雇用喪失につながっており、ここ数年の成長率で米国を下回る欧州経済へのさらなる打撃となる恐れがある。自動車産業が欧州連合(EU)の域内総生産(GDP)に占める割合は約7%で、米国の国内総生産(GDP)における同産業の割合よりもはるかに高い。