投資家にとって非常に恐ろしい二つの予測がある。ゴールドマン・サックスは、S&P500種指数の今後10年間のリターンは年平均でわずか3%になるとみている。巨大テクノロジー企業の圧倒的な存在感はいずれ薄れるとの見立てだ。バンク・オブ・アメリカの10年間の予測は年平均0~1%と壊滅的な数字だ。両社はそれでも株式を買うべきだと結論付ける。なぜなら来年の見通しは非常に明るいからだという。何が根本的な問題であるかは分かりやすいが、対応するのは難しい。米国株はあらゆる指標でみて極めて割高な水準にある。歴史的にこれは長期的なリターンが低いことを意味してきた。10年間の予測が悲観的であるのはそのためだ。ただ歴史をひもとくと、現在のような極端に高いバリュエーションと目先の1年間のリターンとの間には全く関連性がないともいえる。割高な株式がさらに割高になることは珍しくなく、実際にそうなることが多い。