ケンタッキー州エリザベスタウン在住のアラナ・ゲイデンさん(26)はレストランでデート中に、「スパイス」を一振りすることにした。相手の男性が電話に出るために席を外すと、ピュア・インスティンクトのロールオンタイプのフェロモン香水を手首の内側と首につけた。ゲイデンさんの話では、テーブルに戻った男性の目の色が変わった。ゲイデンさんを抱き寄せ、においをかいで、きれいだと言ったという。「人生であんな反応は見たことがなかった」。ソーシャルメディア・マーケティング業界で働くゲイデンさんはそう話した。若者がフェロモン香水を試している。デートアプリに幻滅した人や、ロマンスの相手と出会う新しい方法を探している人などだ。こうした製品の多くは性フェロモン――恋の相手を引きつけるために一部の生物種が自然に分泌する化学物質――を人工的に合成したものが含まれているとされ、販売する企業によると、非常に現実的な効果があるという。この主張には異論もあるが、製品を試したいという人々の意欲は、間違いなく存在する。