シリアのアサド政権が戦闘もなく週末に崩壊した後、首都ダマスカスは権力の空白状態に陥り、失脚したバッシャール・アサド大統領の宮殿や一部の政府庁舎、政府高官らの住居で略奪行為も見られた。だがアサド氏がシリアを脱出してから数時間後には、組織化された反政府勢力が首都に入り、秩序回復を試み始めている。住民らによると、北部の最大勢力の一つである「シャーム解放機構(HTS)」の武装集団は略奪を抑制し、検問所を設置して家具や電子機器、また家電製品などの盗品を没収した。HTSは9日には、ダマスカスの治安確保をほぼ完了したと発表。またシリア北西部の反政府勢力支配地域で事実上の政府のトップを務めるムハンマド・アル・バシール氏に、暫定政府樹立を任じている。
政権崩壊後のシリア首都、反政府勢力は秩序回復へ奔走
移行プロセスが明確になるまでには数週間かかると専門家は予想
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