20万部を突破し、いまだ人気がおとろえない本『佐久間宣行のずるい仕事術』(※)。その刊行から2年、著者、佐久間宣行さんが新刊、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』を上梓した。上司の悩みの裏には部下の悩みが潜んでいる(逆もしかり)。しかし「上司は部下の」「部下は上司の」気持ちはわからないもの。そこで本書は上司と部下、それぞれの気持ちを解説しつつアドバイスをする1冊となっている。この連載は本書の中から、職場の人間関係やメンタルのコツ、転職に役立つノウハウなどを紹介していく(構成/石塚理恵子)。
(※)『佐久間宣行のずるい仕事術』は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリ・ビジネス実務部門賞のダブル受賞を果たした。
なぜあの人はそう思うのか?
仕事は立場によって、見える景色が変わる。
右も左もわからない新人時代は、1つのミスをこの世の終わりのように感じるけれど、3年目の先輩からすると「自分もやった」だし、10年目の現場リーダーは、若手の成長のきっかけにと、わざと失敗させたりする。
そんなとき新人は「先に教えてよ」と思うだろうし、現場リーダーは「自分で経験しないと意味がない」と思っている。
なにが言いたいかというと、人はそれぞれ立ち位置が違うから、「あの人は、あの立場だからこうするんだな……」という「裏」が読めると、仕事をスムーズに運ぶコツが見えるし、ストレスも減るということだ。
できる人は「裏」を読む
「仕事の悩み」や「不満」の多くは、「承認欲求とメンツ」が原因だと僕は思う。
たとえば「がんばっているのに評価されない」とき、本人は承認欲求をこじらせてるし、上司は上司で「ほめすぎるとナメられる」という変なメンツからあえて距離を取っていたりする。
部下の承認欲求と上司のメンツがすれ違って、無用な悩みや不満をつくり出す。
でもこういうときも「裏」が読めれば、解決の糸口が見えてくる。
悩んだら相手の側から考える
なぜあの人(や会社)は自分にこうした態度をとっているのか。
そこから逆算すると、解決策が見えてくる。
もちろん会社も、そういう社員に甘えすぎると見限られる。
だから会社は会社で「裏」を予想し、対策をとるのが重要だ。
(本稿は佐久間宣行、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』からの抜粋記事です。)