書類を手にして顎に手をやるビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

評価に不満が爆発する
3つの理由

 毎年この時期になると、プロ野球選手が契約更改後に不満を述べる姿をニュースで見る。どの世界でも人の評価は難しい。

 評価への不満の原因は、大きく三つのカテゴリーに分けられる。

 1.評価指標の問題、2.評価そのものの問題、そして、3.会社や上司からの伝え方や説明の仕方の問題だ。

 まず、評価指標の問題についてである。これは、社員が自身の評価に用いられる基準や方法が公平でない、もしくは偏っていると感じる場合に起こる。

 例えば、特定の部門や職種にのみ手厚いなど、評価の偏りがある場合。高い売り上げを誇る部門や目立つ役割の社員は高く評価されやすく、サポート業務や内部管理を担当する社員は、貢献度が地味で数字に表れにくいため、評価が低く抑えられる傾向がある。

 また、長く勤めている社員と外部からスカウトで入ってきた社員との間で、評価や報酬に差が生じることがある。市場競争によって高い給与を約束されて入社した転職組に対して、既存の社員が自身の貢献度に対して正当な評価を得られていないと感じることも多い。

 さらに、会社の評価基準や指標自体に社員が納得していない場合もある。例えば、新たなパフォーマンス評価ツールの導入で、従来の評価方法と異なる結果が出て、聞いていない、話が違う!と社員が不満を抱くこともあるだろう。

 次に、評価そのものの問題だ。これは、社員の自己評価と会社からの評価に大きな差がある場合に生じる。社員は自身の成果や貢献度を高く評価しているにもかかわらず、会社がそれを十分に認めていないと感じると、納得できず不満が募る。