「上司への報告書」
今回は、実践のケースとして、ビジネスパーソンなら誰もが通る道、「上司への報告書」というケースにスポットを当ててみます。
【状況】
若手社員のAさんは、取引先の企業Bとのプロジェクトを任されていました。クライアントの新商品発売プロジェクトに、彼は流通の関係会社の営業として参加しました。入社してはじめて彼がメインの担当者として携わった仕事ですから、彼にはその成果をできるだけ大きく報告したい、という思いがあります。
さて、まず彼は、報告する際の資料づくりから取り掛かることにしました。なんといっても自分自身の成果報告ですから、彼は今回のプロジェクトで自分がクライアントに提案した部分のみを抜粋してまとめることにしました。
用意した資料『今年の提案資料一式、そこからの抜粋した10ページ』
しかし、この発想には問題があります。自分自身のしたことを中心にそれだけでまとめる、という視点は、その報告を受ける「上司の視点」を忘れているからです。
このプロジェクトに関わっていない上司からすれば、まずは前提となる情報からインプットしてほしいはずです。Aさんの初手としての正解はきっと、
『このプロジェクト全体のスケジュールやプロセスの構造図』
『そのプロジェクトがどんな人員体制で進んでいたかの組織図』
という資料をまず用意することでしょう。つまり、プロジェクト全体がどう進んでいて、その中でAさんがどういうポジションで関わったかを上司は見たいのではと思うからです。この発想は、08【「構造化」の型】、09【「俯瞰」の型】の活用です。
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