「何が言いたいの?」と思わせない、上手に説明ができる人の習慣上手に説明できる人は相手に質問させようとするが、できない人は納得させようとする。簡潔な説明をしたあと、「どの部分をより詳しく説明しましょうか」と問いかけるなどして、相手からの質問を引き出そう(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

「上手に説明できる人」と
「できない人」の習慣を比較

 会議や商談の場で、上手に説明できる人がいる。複雑な物事でもコンパクトかつ的確に伝え、相手を気持ちよく動かす人だ。そんな人たちはいったい、説明下手な人と何が違うのだろう……そんな疑問に明確な答えをくれるのが本書『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』だ。

 著者の鶴野充茂氏は、国内外数百社の経営者や政治家、医師・弁護士などの広報アドバイザー、トレーナーとして活動している。さらには、ビジネスパーソンを対象とした説明力や文章力を高める講座を開講してもいる、まさにコミュニケーションの専門家だ。

 本書ではそんな鶴野氏が、「上手に説明できる人」と「できない人」の習慣を比較しながら、さまざまなシーンで役立つ説明のコツを示している。一例を紹介しよう。仕事で大事なプレゼンが目前に迫ってきたとき、「大谷翔平が初めてメジャーリーグの試合に出場するときのような緊張感ですよ……」と、有名人に例えるのは、上手に説明「できない人」だ。なぜなら、相手が大谷選手のことをよく知らない場合、意図が正確に伝わらないからだ。一方、説明上手な人は、誰でも経験したことがありそうな「あるある」を例に出す。

 本書を読み進めるうちに、自分が有効だと思い込んでいた説明術が、実は逆効果であったことに気づくかもしれない。明日から説明上手なあなたに生まれ変わりたいなら、本書で「上手に説明できる人」と「できない人」の習慣を見比べることから始めてみよう。(庄子 結)