「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

分かりやすい説明に共通するもっとも大事な「型」とは?Photo: Adobe Stock

どのような流れで説明すれば相手に最も伝わるか?

 本書で説明したように、伝えたいことを具体化し、相手のニーズに沿って届ける要素の取捨選択が済んだら、今度はそれを「どのような流れで説明すれば相手に最も伝わるか」を考えていきます。

 言語化が苦手な方の中には、「一文一義で端的に伝えることはできるけど、話がうまくない」という方が、意外と多くいます。

 でも、大丈夫。これから紹介するテンプレートを使えば、もう話の組み立て方で悩むことはありません。

幹→枝→葉は大前提

 まずテンプレートの紹介をする前に、大前提として覚えておいてほしいのは、話の組み立て方の基本のキは「幹→枝→葉」ということ。核となる情報→細かい情報の順に伝えます。たとえば、

幹:私、山口拓朗は文章の専門家です。
枝:本を執筆したり文章の書き方を教えたりしています。
葉:セールスライティングやSNS発信の方法など。

 といった具合です。最初に、何の話なのかがわかる「幹」を伝え、だんだん細かく枝分かれしていくイメージです。

「幹→枝→葉」を基本とした上で、もう少し大きな「話の流れ」を組み立てる時に使えるのが次の3つのテンプレートです。

 伝えたい内容や目的に応じて、それぞれ適したテンプレートを選んで、話を組み立ててください。

話の流れが格段にわかりやすくなる3大テンプレート

〇結論優先型
 ワンメッセージを掘り下げて伝えたい時に便利。

〇列挙型
 複数の情報を整理して伝えたい時

〇ストーリー型
 読む人の感情を動かし共感を得たい時

 次の項目から、それぞれについて説明していきたいと思います。

 *本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。