「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は矢上さんに老化予防に役立つ自力整体について伺いました。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】老け込みやすい人の特徴とは?「たった1つの習慣」で若返る

いつまでも若い私の母がやっていること

「さいきん白髪が増えてきた……」
「背中が丸くなってきたかも……」
「骨粗鬆症が心配……」

こんな不安を解消するために、自力整体をはじめられる生徒さんは多いのです。なぜなら自力整体は骨格の調整をするだけでなく、東洋医学の鍼灸でつかう経絡(けいらく)やツボを刺激して、リフトアップや代謝促進にも役立つから。

実際、40年ちかく「自力整体」を指導している私の父(70代)と、その父をサポートする母(60代後半)は、年齢よりも若々しいなと感じています。二人とも背筋がスラッとのびてスリム

とくに同じ女性として母の若さには驚いています。体のラインはくずれることなくすっきり。白髪もほとんどありません。60代後半になって、やっと少し白いものが出てきたかな? という程度。

父の仕事のサポートで、日常的に自力整体をおこなっているせいか体はとても柔軟。今でも開脚前屈を軽々とできるほどしなやかです。

老け込まない人は「冷えやむくみとは無縁」

母の若さの秘訣は、関節や筋肉の柔らかさのほかに、鍼灸で言われる「気・血・水」のめぐりがよいことも関係していると言えます。「冷えやむくみとは無縁」の日常です。

母に限らず、中高年世代の生徒さんや自力整体指導者のみなさんも、若々しくハツラツとされています。そのお姿を東洋医学の言葉で表現するならば、「気が充実している」と言えるでしょう。

「白髪が増えた!」それは腎経の滞りのサイン

老化と深い関係をもつのは「腎経(じんけい)」と呼ばれる経絡(※図参照)です。日ごろから自力整体で体の滞りを解消している方たちは、この腎経の流れもスムーズ。足の裏からはじまる腎経は、座りっぱなしや運動不足、冷えなどで、どんどん滞っていきます。

この腎経が滞るとき、腰痛、毛髪の弱り、脱毛、白髪、老化、骨粗鬆症、冷え、むくみ、不妊などの症状が現れやすくなります。さいきん白髪が増えたかも? などと感じるときは、腎経の滞りのサインかもしれません。

「腎経の滞り」の解消が若返りのカギ

気になる方は、後半で紹介する腎経の滞りを促す「湧泉のツボ刺激」を毎日の習慣に取り入れてみてください。代謝力・排泄力がアップします。「腎経の滞り」の解消が若返りのカギです。

【整体プロが指南】老け込みやすい人の特徴とは?「たった1つの習慣」で若返る

◎腎経(図:『すぐできる自力整体』より)

足裏から始まり、上にのぼる。骨との関わりも深い。過剰な水分を排泄するはたらきもある
腎経の滞りで出やすい症状:腰痛、毛髪の弱り、脱毛、白髪、老化、骨粗鬆症、冷え、むくみ、不妊など

では最後に、「腎経」の滞りを解消して若さをとりもどす「湧泉のツボ刺激」のワークを紹介しましょう。冷え・むくみ解消にも役立ちます。

「腎経」の滞りを促し、若さをとりもどす「湧泉のツボ刺激」のワーク

画像を見ながらおこないましょう(※画像は書籍『すごい自力整体』より)。

【整体プロが指南】老け込みやすい人の特徴とは?「たった1つの習慣」で若返る

◎「湧泉のツボ刺激」のワーク

★湧泉のツボはここ!:足の指をグーの状態にしたとき、くぼんだ中央に位置する。足の冷えのほか、不眠症、疲労回復に効く

【手順1】
◆しゃがんだら右足裏の「湧泉のツボ」に左足のかかとをあてる
◆両手を後ろの床についてお尻を10cmほど上げ、「湧泉のツボ」に体重をぐ~っとかける(時間はお好みで)

※ポイント:下の足の指先と上の足の指先の方向を同じに向けましょう

【手順2】
◆反対側も同様におこなう

※時間に余裕のある時は、書籍『すぐできる自力整体』で紹介している「驚くほどほぐれる4つのコース」(QRコードからスマホで視聴できる動画つき)も老化予防に役立ちます。

『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。

【整体プロが指南】老け込みやすい人の特徴とは?「たった1つの習慣」で若返る矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗