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不況により仕事の成果が出にくい。AIを使う人も増えて、能力を見極めづらい。そんな時代に、部下や若手を「評価する」ことがとても難しくなっている。世の中の管理職たちは、どのような観点で人材を評価しているのだろうか? 815社17万人の分析データが明かす、出世している優秀な若手たちの共通点とは?(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
※本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です。
そのまま出世させても「活躍できない人材」とは?
「担当業務で誰よりも高いパフォーマンスを出している若手を、早く管理職に引き上げたい」
このように、本業での専門性の深さや個人の担当領域での成果を最優先の基準にして評価する経営者や上司は多い。
成果を出し続けている若手は、一見すると優秀に見える。
だが、自分の担当領域(縦の専門性)だけに閉じこもり、目の前の仕事だけを深くこなしている若手は、出世した後に「全体が見えず組織を動かせない」という壁にぶち当たってしまう。
他部署や他職種の事情を知らないまま引き上げられると、他部署との連携や全体最適の判断ができなくなってしまうのだ。
7865人の分析でわかった「出世している人の共通点」
では、実際に世の管理職たちが評価しているのは、どのような人材なのだろう。
7,000人超のキャリアデータを分析したAI解析から、従来の評価軸を覆す事実が浮かび上がってきた。
将来を期待され、同世代よりも出世が早い人たちは、社内での「横の経験」を戦略的に積んでいたのだ。
7,865人のキャリアデータを分析したところ、期待されている人たちの97%が他部署や他領域の業務に関わった経験がありました。これは一般社員における比率の2.6倍です。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
彼らは自部署の仕事(縦軸)をこなしながら、社内副業や兼務制度などを貪欲に活用し、他部署の仕事(横軸)へ「越境」していたのである。
いますぐ出世させるべき「若手」の特徴・ベスト1
一体なぜ、一つの仕事を突き詰める若手よりも、「他領域の経験」を持つ人の方が圧倒的に出世するのだろうか。
他部署を経験した若手は、単に知識が増えるだけでなく、「他部署の価値観や判断基準」を体感として理解できるようになる。
営業で磨いたプレゼン力をマーケティングに応用したり、広報で得た知見を人事に活かしたりと、本業と他領域の強みを掛け合わせることができるのだ。
他の仕事で得たスキルと、本業の強みを相互補完できることが彼らの強みです。
たとえば、営業部門で磨いたプレゼン力をマーケティングのプロジェクトで活かす。あるいは広報で得た社外コミュニケーションの知見を、人事の研修設計に応用する。
本業と副業を分けるのではなく、行き来させる発想を持っているのです。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
本業の「深さ」に、越境経験による「広さ」を掛け合わせているからこそ、部署と部署の間に太い橋を架け、組織全体をスムーズに巻き込んで大きな成果を上げることができる。
だからこそ彼らは、若くして周囲からの絶大な信頼を集め、異例のスピードで昇進していくのだ。
「他部署の仕事を積極的に経験し、自分の仕事だけで完結しない全体視点を持っている人」
これこそが、いますぐに出世させるべき優秀な人材なのである。
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。




