日本人は論理的な議論の結果ではなく、得体のしれない「空気」なるものに支配されてしまう――。太平洋戦争で開戦前から当時のエリートたちが「日本必敗」と完璧な予想をしていた。それにもかかわらず、「アメリカは個人主義なので死者が出ればすぐに国内に反戦ムードが高まる」などの「雑な情報操作」に多くの善良な日本人が乗せられ、「聖戦」にのめり込んだのも、この「空気」が原因だと山本氏は指摘している。
そんな「空気」に令和を生きる我々もゴリゴリに支配されているのではないか。今回の亀田製菓の炎上でそんなことをあらためて考えさせられた。
もしかしたらネットやSNSによって、太平洋戦争の時代以上に我々日本人は扇動されやすくなっているのかもしれない。
(ノンフィクションライター 窪田順生)