「あと1点足りなくて不合格……」。そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。『5科目50年分10000問を分析した東大生のテストテクニック大全』(ダイヤモンド社)の著者であり、2025年1月スタートのTBS日曜劇場「御上先生」(主演・松坂桃李)で教育監修をつとめる西岡壱誠氏によると、テストには「あと1点を取るためのコツ」があると言います。「まじめに勉強に取り組むだけではなく、テクニックを使って1点でも点数を取る。それも実力」。そう語る西岡氏に、今回は「試験が開始したら行うこと」を聞きました。
試験は開始5分ですべて決まる
「試験は開始5分ですべて決まる」という言説をご存じですか?
試験開始5分で、いかに試験問題を分析できるかによって、合否が変わってくるという意味です。難しい試験になればなるほど、順番に問題を解いても解けないものが多くなってしまいます。
試験開始の5分で分析し、解けるものから解いていったほうがいいということですね。
具体的に言うと、開始5分での分析は「この問題は解けそうか」「どれくらい時間がかかりそうか」の2点です。
(1)自分が解けそうな問題か、そうでないか。
(2)パパッと解けそうな問題か、すごく時間がかかる問題か。
(1)は、「ああ、こういう問題形式は得意だ」とか「こういう知識を問う問題、苦手なんだよな……」とかを考えていくということですね。
(2)は、問題の分量や自分の過去の演習からの逆算で考えます。「この問題形式なら5分で行けるな」「いつもより問題が多いから10分かかりそうだ」などです。
分析で一番やってはいけないこと
ここでの分析で一番やってはいけないことは、「問題文が長いから、難しいし時間がかかると考えてしまう」ことです。
問題文が長く、読むのに時間がかかる問題は一見すると「難しくて解けない問題」だと感じられます。でも実は、逆にそういった問題のほうが「簡単」かもしれないのです。
なぜなら問題文が長いということは、その分ヒントの量が多いことに他ならないからです。逆に問題文が少ないということは、問題を解くために必要な情報が少ないのです。ですから、長いからといって「難しいし時間がかかる」とは考えないようにしましょう。
さて、ここを確認すれば、「自分が解けそうで、時間がかからない問題」がなんなのかわかるはずです。
まず試験では、そういった問題を一番優先順位高く解いていく必要があるといえるでしょう。そして、次は解けるけれど時間がかかる問題にアプローチし、その上で「難しいけど時間がかからない問題」→「難しくて時間がかかる問題」という順番で問題を解いていきましょう。
結局テストなんて「点取りゲーム」でしかなく、いかに「解ける問題」を解いて点数を効率的に稼ぐかという勝負でしかないのです。であるならば、最初の5分であたりをつけて、「ここで稼いだら合格点だな」というポイントを明確にする必要があるのです。しっかり戦略を作って問題を解くようにしましょう。