日本製鉄が米大統領を提訴
「結論ありきの政治介入」、法廷闘争に
日本製鉄によるUSスチールの買収計画に対して、バイデン大統領が禁止命令を出したことに対して、日本製鉄が6日、USスチールとともに、命令を不服として連邦控訴裁判所に提訴した。
米大統領選に絡んで政治問題化していた2兆円の大型買収は法廷闘争に持ち込まれるという異例の事態だ。
日本では、政府もこの買収を後押ししていたので、禁止命令には失望感が広まっている。そして、経済的には合理的なこの買収計画にアメリカ政府が政治的な観点から横やりを入れ、経済的に不合理な決定をしているとの批判が一般的だ。
アメリカの決定が不合理だというのはその通りだと思う。しかし私には、日鉄による買収計画も合理的なものとは思えない。
日鉄が粗鋼生産量を増やすことにこだわっているように見え、発想が時代遅れのように思うからだ。
7日に会見した日本製鉄の橋本英二会長は、「結論ありきの政治的介入」「買収計画を諦めなくてはいけない理由も必要もない」と語ったが、私には、そもそもなぜ買収が必要かが理解できない。