ケーシー・マクナースニーさんが、米歌手シンディ・ローパーのファンだったことは一度もない。人生の大半の間、彼女のヒット曲「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハブ・ファン」が流れると、ラジオのチャンネルを変えていた。だが彼はいま格安のコンサートチケットを手に入れることに夢中だ。特に大きなアリーナやスタジアム、野外音楽堂で、アーティスト(そして熱狂的なファン)を初めて間近に見るのが楽しくて仕方がない。こうして12月、シンディ・ローパーの「さよならツアー」のシアトル公演の入場チケットが、開演の数時間前に価格9ドル(約1400円)、しかも手数料込みで販売されているのを見つけ、彼は即購入した。その夜、どの曲も暗唱できるファンで満杯のアリーナに身を置き、「トゥルー・カラーズ」(ローパーの曲名で「本当の自分の姿」の意)をさらけ出して過ごした。