指輪型ウエアラブル機器「スマートリング」の先駆者となったOura(オーラ)は、スタートアップ企業の世界でほぼ類を見ない存在だ。企業価値が10億ドル(約1560億円)以上の未上場企業を指す「ユニコーン」の中でも、オーラは50億ドル超の評価額がつくだけでなく、コンシューマーエレクトロニクス(消費者向け電子機器)という特に過酷な分野で利益を上げている。オーラのスマートリングは第4世代に入り、健康管理をこの機器に頼る人々が何百万人もいる。腕時計型のスマートウオッチと同じく、心拍数や皮膚の温度、運動などを測定するが、データの使い方は異なり、フィットネスよりも健康に重点を置いている。例えば、同社のリングは1日24時間・週7日のデータを集め続けるため、ユーザーは起床と同時に、睡眠の質やストレス兆候などの要因を考慮した「レディネス・スコア」を確認できる。こうした分析は、膨大な健康データから生み出されたものだ。例えば、7万人が自発的に提供したデータを蓄積することにより、今ではユーザーが病気になり始めていることを、症状が出る前にリングが予測するという。
スマートリングで世界が注目、フィンランドの新興IT企業
心臓の健康や病気の可能性を予測する指輪型端末、評価額は8000億円超
有料会員限定
あなたにおすすめ