

元マイクロソフト日本法人の会長で、現在は慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の古川享さんをホストに迎えて、古川さんが日本を変えていく存在と期待を寄せるスマート・ウーマンの方たちとの対談を掲載しています。
黒坂三重さんは、楽天グループ国内外のCSR活動を推進するCSR担当執行役員を務められていますが、常にユーザーを大切にし、ユーザーのために何ができるかを考え、福島県内で「楽天いどうとしょかん」を展開されています。様々なIT企業で働きながら大切にしてきたこと、思いを熱く語っていただきました。
古川享(以下・古川):黒坂さんはラジオ福島から始まり、さまざまな職種の仕事を経験されていますね。その経緯については後ほどお聞きするとして、今現在は楽天にいらっしゃるので、そこで何をされているのかまず教えていただけますか。
黒坂三重(以下・黒坂):楽天に参加したのは、2002年に私が代表をしていたワイノットという会社を楽天が買収して以降になります。買収後は、3年くらいは子会社として引き続き経営していましたが、その後吸収合併となりました。
その後は楽天の本丸とも言えるインターネット・ショッピングモールを運営する「楽天市場」事業に関わりました。キッズ・ベビージャンルの部長として、eコマースの営業部隊を率いました。毎月部長の役割が増えて、一時期は300人くらい部下がいましたね。
そこで2年が経過したころ、営業部門のマネージメントを行う一方で、「楽天市場」の顔であり、売り場となるウェブサイトの編成部門をマネージメントするようになり、1年を経過したころには「楽天市場」の全てのウェブページの責任者である編集長を任されるようになりました。
「楽天市場」でお買い物をしてくださるお客様のニーズに日々応えていかなければならないという重要な役割なわけですから、これはかなり大変でした(笑)。社長の三木谷自らがお客様の利便性を常に考えており、彼の頭の中には「楽天市場」のページの全ての構造が入っているのです。