中国のAI(人工知能)新興企業ディープシークの劇的な台頭によって、米半導体大手エヌビディアが直面している最大のリスクが浮き彫りになっている。高性能チップの旺盛な需要が後退する可能性だ。エヌビディアはAIブームを後押しする計算処理能力の担い手として成功してきた。多くのライバル企業が同社の支配力を弱めようと試みている。ライバルの中には半導体メーカーに加え、支出削減のために独自のAI用半導体を開発している顧客企業も含まれる。ディープシークによる最終的な影響は不透明とはいえ、テック業界の中で、中国のAIモデルがエヌビディアのビジネスを脅かすと考えた者はほとんどいなかった。エヌビディアはAIブームから最大級の恩恵を受けた企業で、直近の4四半期だけでも利益は630億ドル(約9兆8000億円)を上回っている。また株価は2022年末以降で、8倍に急騰した。