「あと1点足りなくて不合格……」。こんなに悔しいことはありませんよね。2025年1月スタートのTBS日曜劇場「御上先生」(主演・松坂桃李)で教育監修をつとめる西岡壱誠氏によると、テストには「あと1点を取るためのコツ」があると言います。
「まじめに勉強に取り組むだけではなく、テクニックを使って1点でも点数を取る。それも実力」。
そう語る西岡氏の著書『5科目50年分10000問を分析した東大生のテストテクニック大全』(ダイヤモンド社)より、テストで使えるテクニックを紹介します。
![「もう選択問題で迷わない!」東大生がすすめる“◯×△テクニック”とは?](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/b/650/img_eec9febdf1357ef4be9b426dd215a0f2282481.jpg)
選択肢を分解して「◯×△」を書き込む
選択肢が文章の形で与えられると、ひとつの選択肢の中に複数の要素が含まれていて、「前半は正しそうだけど後半が違う気がする……」「全体的になんとなく合ってる気がするけど自信がない……」と判断に迷ってしまいます。
ただでさえ長い文章の選択肢を読むのは大変なのに、これでは答えをひとつ選ぶのに多くの時間を使うことになります。
そこで役に立つのが、「◯×△テクニック」です。
まず、それぞれの選択肢を読みながら、文章を要素ごとに「/」で区切って分解します。
たとえば、「クローヴィスの改宗によって、フランク王国は先住のノルマン人の支持を得ることができた。」という選択肢は、
「クローヴィスの改宗によって、/フランク王国は/先住のノルマン人の支持を得ることができた。」
と3つの要素に分解することができます。
そして、この分解した要素を判断していきます。それぞれの要素について、正しいと思えば◯、間違っていると思えば×、迷ったり知らなかったりしたら△と書き込んで評価しましょう。
「クローヴィスの改宗は、フランク王国で合っているのか?」と考えて、正しいと思えば○とします。
「先住のノルマン人の支持を得ることができたと書いてあるが、合っているのか?」と考えて、間違っていると思ったら×を、迷ったり知らないなと感じたら△を書き込みます。
これをすべての選択肢について行ったら、あとは簡単です。
選択肢のうち、最も×が少なく、◯が多いものを選べばよいのです。なぜなら、それが自分の持ちうる知識と照らして一番誤りが少なく、正解に近いものだからです。
では、次の問題を見てみましょう。
①徳川家光は、江戸幕府の2代将軍であり[×]、/鎖国政策を完成させた[△]。
②豊臣秀吉は、刀狩を実施して農民から武器を取り上げ[◯]、/これによって統治を安定させた[△]。
③徳川家康は、関ヶ原の戦いで[◯]、/豊臣秀吉に勝利した[×]。
④島津義弘は、関ヶ原の戦いで東軍として参加し[△]、/徳川家康に味方した[△]。
この場合は①が[×][△]、②が[◯][△]、③が[◯][×]、④が[△][△]なので、②が一番正解の可能性が高いと判断できます。
◯×△テクニックは「見直し」の時短にもなる!
◯×△を選択肢に書き込むことの隠れたメリットは、「さっきの選択肢を自分がどう評価したのか忘れるのを防げる」ことです。
試験中は必死なので、目の前の選択肢について考えているうちに前の選択肢がどうだったのかを忘れて、また考え直す羽目になることも多々あります。その場で◯×△を書き込むことで、いざ選択肢を見比べたときに、内容を見直さなくとも「これは◯なんだな」と確認の時間をショートカットできるのです。
さらに、ひとつでも確信を持って×をつけることができた選択肢はそれ以上読み進める必要がないので、問題を解くのにかかる時間を大幅に短縮することもできるのです。
・中学受験~大学受験までの入学試験(特に国語と社会)
・選択肢が文章の形になっている選択問題のうち、選択肢の文章が長い問題