数ある家中華のなかで“定番”と言える人気メニューが「トマトと卵炒め」。本場・中国はもちろん、日本の店や家庭でも、ニンニクやネギを入れたもの、砂糖を入れたもの、片栗粉でとろみをつけたもの、チリソースっぽく仕上げたもの……など様々なアレンジが見られる。そんななか、「シンプルさを極めたい!」と語るのが、超料理マニアな料理人として知られる東山広樹氏だ。トマトと卵、この最小要素だけで作ることにより、「トマトと卵炒め」という料理自体の輪郭をはっきり浮かび上がらせる……そんなレシピを目指して何度もマニアックに検証を重ねたという。そこで欠かせない「3つの掟(コツ)」を教えてもらった。

※本稿は書籍『マニアック家中華』を一部抜粋・編集したものです。
(撮影:中村寛史)

家で作る定番中華「トマトと卵炒め」をシンプルで美しい究極の一品へと変貌させる、たった3つのコツ

勝負はトマト選びから始まっている!

 この料理は「トマト」と「卵」という、誰でも手に入れやすい材料が主役です。だったら本当にそれだけを使っていつでも究極の中国家庭料理を家で楽しむことができたら最高ですよね! 味付けも最小限におさえつつ、トマトと卵のおいしさを最大に引き出したい。そのために、次の3つの「掟」を守ってください。

 まず、トマトは食感を残したいので、かためのものを選ぶこと。皮がしっかりしているフルーツトマトもいいでしょう。

先にトマトに1%の塩を和えておく

家で作る定番中華「トマトと卵炒め」をシンプルで美しい究極の一品へと変貌させる、たった3つのコツ

 トマトをくし形切りにしたら、その総重量の1%にあたる塩をはかって軽く和えます。

 炒め物はタイミングとスピードが命です! 先に完璧なバランスの塩を和えておくことで、炒めるときに焦らず済みます。

トマトと卵は別々に炒める

家で作る定番中華「トマトと卵炒め」をシンプルで美しい究極の一品へと変貌させる、たった3つのコツ

 溶き卵をフライパンで半熟加減になるまで火を通したら、いったん皿に取り出し、次にトマトを片面にしっかり焼き色が付くまで焼いていきます。 

「卵のふっくら感」と「トマトのしっかり食感」、この対比が料理の要になります。別々に炒めることで、それぞれベストな火入れを実現させるのです。

 最後にさっくり混ぜ合わせて一体感が生まれたら、究極の一品の完成です!

 この「トマトと卵炒め」の詳しいレシピをはじめ、『マニアック家中華』には、僕がこだわりにこだわった家中華のレシピをたくさん詰め込みました。

 きっと、おいしい家中華を作るヒントが見つかると思います!

(本稿は書籍『マニアック家中華』を一部抜粋・編集したものです)