以前は「FIRE」や「億万長者」の本が売れていたが、昨今は幸福感を味わえるお金の本が売れている。「人生で一番大切なのは思い出をつくることだ」と説いた『DIE WITH ZERO』が空前のベストセラーになり、「DIE WITH ZEROの次に読むべき本」と話題になっているのが『JUST KEEP BUYING』。そして、PIVOTの動画「幸せな金持ちになる方法(2/11配信)」で注目されているのが『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』である。『富の方程式』はゴールドマン・サックスCEOと世界的ベストセラー作家のモーガン・ハウセルが強力ダブル推薦する全米ベストセラーで著者は『GAFA』で有名なスター教授だ。今はそうでなくてもこれから“幸せな金持ち”になるにはどうすればいいのか。本書からワンポイントを抜粋・編集してお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。

資本主義でサバイブしていくために必要なこと
資本主義は人類史上、
最も生産的な経済システムだ。
同時に、これは強欲な獣のようなシステムでもある。
資本主義は改革者より既得権益者を、
貧しい者より富める者を、
労働より資本を優遇し、
喜びや苦しみを不公平な方法で分配する。
だからこそ私たち現代人には、
資本主義と投資を理解し、
うまくつき合っていくことが求められている。
経済的な不安から解放され、
自分の考えを軸に人生をコントロールし、
望ましい人間関係を手に入れられるからだ。
92歳で9億円稼いだ清掃員
本書は、世の中のあるべき姿を提案するのではなく、
現実の世の中の仕組みに関する真実を説き、
そのシステムの中で成功するための最善策を提供する。
「富」に至る道はたくさんある。
ブルックリンの公営住宅で育ち、
高校を中退したショーン・カーターは、
抒情的な言葉と天賦の音楽の才能を活かして
ラッパーの「ジェイ・Z」を名乗って大成功を収め、
ヒップホップスターとして初めて億万長者になった。
貧しい家庭で育ち、
一族の中で最初に高校を卒業したロナルド・リードは、
清掃員として働きながら質素に暮らし、
優良株に投資し続け、
92歳で亡くなったときには
800万ドルの資産(当時の換算レートで約9億円)を保有していた。
この2人よりも裕福な環境で育った
ウォーレン・バフェットは、
子どもの頃に
ネブラスカ州オマハで証券会社を営む父から
学んだ教訓を活かして投資家となり、
1000億ドル以上の個人資産を築いた。
私から読者へのアドバイスは、
「自分はジェイ・Zでも
ロナルド・リードでも
ウォーレン・バフェットでもない
と思ったほうがいい」
ということだ。
この3人は全員、才能だけでなく、
幸運に恵まれたという意味でも
例外的な存在だからだ。
すごい清掃員とバフェットの共通点
彼らの人生について注目すべきなのは、
ロマンチックに語られることは少ないが、
倹約家の清掃員であるリードや、
賢明な投資家であるバフェットの資産が、
特にその初期においては、
爆発的にではなく、地道に増えていったところだろう。
本書は長期的な視点に立ち、人生を豊かにし、
大きな資産を手にしたい人のためのものだ。
(本稿は『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の一部を抜粋・編集したものです)