タブレット学習が普及してきた今、改めて手書きの「ノート」の力が見直されています。算数専門のプロ家庭教師として約20年間、2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は、その経験から「ノートをひと目見ると、その子の学力がわかる」と言います。6年生でもノートの書き方を知らない子は多く、その状態のまま、受験勉強に励んで伸び悩んでいる子は多いそう。「ノートの正しい書き方を知らずして、学力は上がらない」と断言する安浪先生の「中学受験 必勝ノート術」のセミナーから一部を抜粋し、ご紹介していきます

「子どもにノートを丁寧に書こうというと、めちゃくちゃ時間がかかるんです」と親御さんから相談されることがあります。
時間がかかりすぎる理由は色々あります。まず、子ども自身が、書いているとその間勉強してると思われて何もいわれないから、時間稼ぎをしているケース。
でも、丁寧に書くのはあくまで解くためですよね。
その対策としては、子供によって適切なスピードがあるので、それを親御さんが見極めること。すごく速く綺麗にかける子もいれば、ただ正しく書くためだけでも時間がかかる子もいます。それも含めてその子の勉強の仕方なのでまずそれを前提にして、本当に時間がかかるのか、時間稼ぎでわざと丁寧に書いているのか判断してください。
あまりにも時間がかかる…というときは「作図」に時間をかけすぎていないかチェックしてください。時々、何回も消しゴムを使って、3分ぐらいかけ、10回ぐらい図を書き直してる子がいます。
そういう時、私はいつも「消しゴムを使わないで一発で書いてね」と指導します。一発で書いて、変な図になってしまったら、消さずにもう一回書き直してもらいます。
図形がいつも変な形になってしまう子は、図形の形をきちんと捉えていないことが多いです。「中学受験必勝ノート術」でも図の書き方を紹介していますが、図形の特徴を捉えないまま書いて、消しゴムを使って微調整していると時間だけかかって、図形の特徴は把握できないままになります。
また、図形だけに限らず、式でも線分図でも、「この図写すのに30秒で写して」とか、「丁寧に計算を書いて欲しいけど、10問で10分までね、よーいどーん」っていうように、時間で区切ってやらせることはとても大事です。
焦ると字は乱れてくるし、本書で解説している「ノートの書き方の5つのポイント」も忘れてくるかもしれません。でもそれは子どもですから仕方ありません。少し、スピードが付いてきたら、次に今度は文字のサイズを揃えることを意識しよう、などと、ひとつずつできるようになっていけば大丈夫です。
*本記事は、安浪京子著「中学受験 必勝ノート術」のセミナーから抜粋したものです。