「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

こんな時代でも…雪が降っても「職場に出社する人」は出世する。その本当の理由Photo: Adobe Stock

雪でも出社した人は出世する

関東地方で雪が降るという予報が出ていましたね。ここで質問ですが、そんな中、みなさんは出社していたでしょうか? それとも「安全第一」で在宅勤務をしていたでしょうか。職場によっては、「雪のため、できるだけ出社は控えるように」とのお達しが出たという人も多いかもしれませんね。

もしここで「雪が降るかもしれないけれど、念の為出社した」という人がいるとしたら、きっとその人は出世する可能性が高まったのではないかと僕は考えています。一見、時代錯誤だと思うかもしれませんが、今回はその理由について考えていきましょう。

雪でも誰かは職場に行っている

そもそもですが、みなさんの仕事には「現場」があるでしょうか。ここで言う現場とは、「誰かがその場にいないと、仕事ができない」というような業態の仕事における現場のことだと考えてください。

たとえば僕のいるメガバンクは銀行なので、支店を開けないといけません。その他にも、飲食業の方や、スーパーやデパートその他の小売店の方、工場勤務、医療関係の方、公共交通機関などもいわゆる「現場」のある仕事だと思います。こういった業態に通ずるのが、雪だからといって「今日はテレワークで」という働き方はできないということです。

実はこれはビジネスパーソンも一定同様で、「雪だから出社しなくていい」と職場からお達しがあっても、実は社内の誰かは職場に行っています。たとえばメガバンクでは担当職は「在宅勤務OK」でも、管理職には「出社せよ」というようなお達しが来ているところもあります。管理職層は、何か突発的なトラブルがあったときに現場の問題を解決するなどの「管理」が仕事ですから、これは仕方ないことです。

このように、職場においては「雪でも出社しないといけない人」がたくさんいます。

上司が「こっそり評価を上げている」可能性が高い

ではこんな時に、担当職の人が、「心配なので、来ました!」というように言ってくれたとしたら、上司はどのように感じるでしょうか。きっとその上司も若手の頃に「出社を強制」された経験があるはずです。もし若手が出社してきたら、「なかなか根性のある奴だ」と思ってしまうのは、人間の性ではないでしょうか。

もちろん職場の文化にもよると思いますし、安全第一であることは疑う余地がありません。しかし、現場のある人が出社してくれているからこそ仕事は回っているという側面もあります。

こういった時に出社していないからと言って評価を下げてはいけない、というのが今の考え方ですが、昔は決してそんなことはなかったでしょう。

そういった時代を生きてきた人が、現代においてもやはり「出社する人」の評価を上げたくなる気持ちも理解できるでしょう。「雪でも出社してくれた人」に対する評価は、自然と上がっているはずです。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)