高級ブランドのトップデザイナーの仕事は、スポーツ界のスターのキャリアのようになりつつある。年収は高いが、働ける期間は残酷なまでに短いのが通例だ。これは業界にとってあまり健全なサインではない。この1年の間に多くのファッションデザイナーが高級ブランド企業を去るか、解雇された。先月もグッチがクリエーティブディレクターの交代を発表した。バンク・オブ・アメリカによると、クリエーティブディレクターを最近交代したブランドは13に上る。この中にはセリーヌ、シャネル、ボッテガ・ヴェネタ、ヴァレンティノ、トム・フォード、フェンディなどがある。業界がクリエーティブ人材を刷新する一つの理由は、需要の低迷だ。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの推計によると、世界で販売された高級品の数は2022年から24年の間に20%以上減った。